今から3年前。会社員と並行して活動していた復業に疑問を抱き「これは、本当に自分のやりたいことだったのか?」と言う疑問が強くなり、その活動の忙しさもあって、心も体も壊れかけていた時がありました。
当時の年齢は55歳。48歳ぐらいから会社を辞めて独立しようと様々なビジネス経験をしてきたので、第2の人生ステージは、自分のやりたい仕事を見つけようとしていました。だから余計に、ビジネスに違和感があると考えはじめます。55歳当時のビジネスにも違和感があったので無理すればするほど体に影響がありました。
だから、会社員以外の活動は全てストップしました。一旦自分と向き合う時間を作りたかったのです。ずっと気持ちは晴れずにモヤモヤしていた中、ふと思い立って京都へ出かけました。何か目的があったわけでもなく、当てのないお出掛けです。京都へ行く一番近い駅、天満橋から京阪線で京都へ向かいました。
電車の中で「どこにいこうかな?」と考えているうちに、当時住んでいた埼玉の中学校で行った修学旅行を思い出し、行ったことがあるから、と言う理由で行くことにしました。清水五条駅で下車し、ぶらぶら歩いて清水寺にいき、かの有名な清水寺の舞台に上がって、舞台からの景色にハッとしました。
遠くに見える山並み。広大な延々と続く木々の風景に圧倒されました。もちろんこのような景色はこれまでに何度も見ていたのですが、この時は何か体の中で電流が走ったような感覚がありました。そして、口からポロリと言葉が出ました。「これだ。」と。
このような広大な自然の景色の中に身を置くことで、いかに人は非力か、小さい存在かを改めて思い知らされるのだ!と思いました。当然ながら「不安や悩みも小さく」なっていきます。気持ちがスッキリ晴れやかになったことを覚えています。「あれこれ考えても始まらない。何か動き出そう」と。
同時に心が広々として、心の中に「余白」が生まれました。この感覚が得られるのは、自然の中だけだ!と確信しました。そこから僕は、自然豊かな場所への「移住」を考えるようになりました。
3年前の京都清水寺に行ったことが「移住のきっかけ」となりました。なぜ、京都に行ったのか、今となってもわかりませんが、きっと「移住」というキーワードを連想させるために、僕を京都に向かわせる何かの力がはたらいたのでしょうか。気持ちが晴れやかになった後、京都の帰り道の途中で書店によって移住に関する本を買って帰りました。
移住物語の前頁(P002)へ続く
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